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奨学金の返済がきつくて払えないとどうなる?返せない場合の影響や注意点、おすすめの対処法や相談先

2024.04.25

「将来就職して働いて返す」ことを前提として、学費を借りる「奨学金」という仕組み。大学に通う人の約半数が利用しているというデータもあります。

しかし、当初の予定通りに返済ができなくなってしまい、「奨学金が払えない…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

奨学金は聞こえはいいかもしれませんが、お金を借りている=借金と同じです。借りたら返すが鉄則です。無利息のものもありますが、利息がつくものもあるため、返せないと、どんどん返済が苦しくなっていきます。

奨学金を払えず滞納してしまう方は増加していて、社会問題になっています。

でも、奨学金を滞納してしまうとどうなるのか?を知っていないと「こんなはずじゃなかった!」となりかねません。

奨学金が返済できないとどうなるのか、奨学金が辛い場合どう対処すれば良いのかなどをわかりやすく解説します。

すでに奨学金を返せていない、滞納しているという方は、すぐに対策を講じなければ状況はどんどん悪化する一方です。奨学金が原因の借金地獄に陥ってしまう可能性もあるので注意してください。奨学金地獄という言葉もあるくらいなので。

困ったときの相談先や活用したい救済制度についても、具体的に紹介していきます。

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「奨学金が払えない…」と悩む方は少なくない!

日本学生支援機構が令和2年度に行った調査によると、何らかの形で奨学金を利用している人の割合は下記となっています。

  • 大学(昼間部):49.6%
  • 短期大学(昼間部):56.9%
  • 大学院修士課程:49.5%
  • 大学院博士課程:52.2%
  • 大学院専門職学位過程:37.1%

大学生のうち、約2人の1人が奨学金を利用しており、非常に身近な存在だと言えます。「奨学金がなければ、進学できなかった…」という方も多いのではないでしょうか。

また、大学(昼間部、夜間部とも)については、8割以上が「日本学生支援機構」からの奨学金借り入れとなっています。

奨学金の特徴は、在学中に借りたお金を、卒業後に返済していくという点です。「学生時代は返済が難しくても、働くようになれば問題なく返済できるだろう」という考えに基づいた制度なのです。

しかし実際には、学校を卒業したからといって、安定した仕事に就けるとは限りません。またたとえ就職できたとしても、その状態がずっと続くとは限らないでしょう。失業したり親の介護で収入減になることも考えられます。

奨学金の返済は、月々の負担を抑えるため、長期にわたって返済を続けていくケースがほとんどです。返済途中で不測の事態が起きてしまえば、「返済が厳しい…」という状況になる可能性も十分にあります。

たとえば、学費と家賃を賄う目的で月に10万円ずつ奨学金を貸与された場合、4年間の総額は480万円です。有利子貸与であった場合、利子分を含めると総額500万円程度の返済が必要になります。

最長の「20年」で返済した場合でも、月々の返済負担は20,000円ほどに。22歳で返済がスタートした場合、42歳まで続くことになります。

結婚、出産、子どもの教育費や住宅ローンと「奨学金」との同時負担は、決して簡単ではありません。

昔と比較すると奨学金制度は拡充され、「必要とする人が必要な分だけ借りられる」環境が整ってきています。しかしその反面、新社会人になった時点で抱える負債額が多すぎて、その後の返済につまずいてしまう方も増えてきています。

奨学金は「借金」なので、延滞、借金が返せないとなるとそれなりのペナルティーが課せられてしまいます!

独立法人日本学生支援機構のアンケート調査によると、奨学金が返還できない(延滞してしまっている)理由として、令和元年においては、

  • 本人の低所得:62.7%
  • 延滞額の増加:42.6%
  • 本人の借入金の返済:29.3%
  • 親の経済困難(本人が親へ経済援助をしており支出が多い):19.9%
  • 本人が失業中(無職):19.6%
  • 返済割賦額(月額)が高い:19.6%
  • 親の経済困難(本人の親が返済する約束):19.3%
  • 家族の病気療養:11.6%
  • 本院が病気療養:11.1%

・・・
こういった結果となっています。(複数回答)

令和2年度末においては、回収率が「89.9%」となっているため、多くの方は奨学金の返済を滞らせず行えているという結果に見えますが、それが「余裕で返せている」のか、それとも「きつきつで来月には延滞してしまいそう」なのかは分かりません。

今後の市況やその方の生活レベルの変化によっては、今後この回収率が下がっていき延滞者が増えていってしまう可能性も否めません。

奨学金が払えないとどうなる?その後の流れ

奨学金の返済日に支払いができなかった場合、そのまま問題が「なかったこと」になるわけではありません。

奨学金=借金のため、もちろん返済義務があります。返済が滞るとどうなってしまうのか?などのリスクについて知った上で借りないと、奨学金の返済がきつい、辛い状況になった際に、「こんなはずじゃなかった!」となりかねません。

奨学金返済が苦しく、滞納・遅延してしまうと、裁判になり最悪の場合、差し押さえにあってしまう可能性があります。

奨学金を貸与している機関は、着々と必要な手続きを進めていくでしょう。日本学生支援機構の場合、具体的な流れは以下のとおりです。

奨学金を滞納した場合も、一般的な借金返済ができず滞納した場合と同様の流れとなります。

  1. 返済日から数日で督促スタート(電話・SMS・郵送など)
  2. 2~3ヶ月後には信用情報に事故情報として登録(ブラックリスト入り)
  3. 残債の一括請求
  4. 裁判、差し押さえへ!
先に、個人信用情報機関への登録の注意喚起が「SMS(ショートメッセージ)」や「通知文書」が日本学生支援機構より送付されます。これを確認後に、返還期限猶予等の手続きをしたり入金すれば、特にブラックリストにすぐに登録という訳ではありません。

しかし、それを無視し続けて滞納状態が続くと…延滞3ヶ月以上で「延滞」情報が登録されてしまいます。

「偶然口座にお金が入っていなかった…」など、意図せず延滞してしまうこともあるかもしれません。

この場合でも機構側は督促をスタートしますが、きちんと対応すれば大事にはなりません。最初の電話で状況を把握し、すぐに支払いが済めばそれでOKです。

ただし、機構側からの電話や郵送による督促を無視し続けて放置してしまうと状況は徐々に悪化。2~3ヶ月程度滞納して返済が確認できなければ、「事故情報」として個人信用情報に登録されてしまいます。

それでも返済できなければ、機構側はいよいよ法的措置へと移行します。一括請求が行われ、これにも応じなければ財産を差し押さえられてしまうでしょう。
  • 土地
  • 金銭的価値の高い財産
  • 毎月の給料

差し押さえは法に基づいて強制的に行われるため、拒否はできません。今後の生活への影響も、非常に大きくなってしまいますし、周囲にもバレてしまうでしょう。

「奨学金は金融業者から借りているわけではないから、少しくらい滞納しても大丈夫だろう」と思う方もいるかもしれませんが、安易な考えは危険です。

滞納後の流れは一般的な借金とほぼ同じ。連絡を無視し続ければ、大切な物を失ってしまう可能性があるのです。

奨学金が払えない!返済滞納するとどうなるのかをしっかりとチェックしておいて!

「3ヶ月以上奨学金が返せなかった…」という状況に陥ったとき、注意するべきポイントは以下の3つです。ぜひ参考にしてみてください。

1.ブラックリストへの登録は今後の人生に影響を与える!

信用情報機関への事故情報の登録は、一般的に「ブラックリスト入り」「ブラック扱い」などと呼ばれています。

「実際に何か特別なリストが作られ、そこに名前が掲載される」というわけではありません。信用情報機関に「延滞者として」事故情報が登録されます。

その影響は決して小さくありません。

  • 新たなローン契約を結ぶことができない(審査に通らない可能性大)
  • クレジットカードを新規で契約することができない(審査に通らない可能性大)
  • 手持ちのクレジットカードを使用することができない(強制解約となる)
  • ETCカードを利用することができない(強制解約となる)
  • スマートフォンの月賦で購入することができない(審査に通らない可能性大)
  • 保証人になれない
  • 保証会社を利用した賃貸契約が難しい
信用商品に類する契約のため、「信用情報」の確認が審査の際に常につきまといます。「返済能力が乏しい人」という扱いとなるため、審査に通りづらくなります。

これらの行動は、奨学金完済後、約5年が経過するまでできません。奨学金の借り入れは高額な方が多いため、完済までの道のりが長く、ブラックの状況から抜け出すにはかなりの期間がかかってしまいます。

たとえば、卒業後数年で結婚。子どもが生まれマイホームを購入するとします。この時点でブラックリストに登録されていれば、「住宅ローン」は審査に通らないため借りられません。

奨学金延滞が結婚前の出来事であれば、「わざわざ配偶者にその事実を伝えない」という選択をする方も多いのではないでしょうか?

しかし住宅ローンの審査落ちをきっかけに、奨学金を滞納してしまったという過去の状況が発覚してしまう可能性もあるのです。

影響は住宅ローンだけに留まりません。カーローンや教育ローンなど、自分名義であらゆるローンを新規契約することがほぼ不可能になってしまいます。クレジットカードの契約もできないため、家族がもしクレジットカードを持ちたいとなると、自分以外の名義で申し込みをする必要があります。

2.連帯保証人への迷惑は避けられない

奨学金を借りる際には、連帯保証人を立ててお金を借りる、「人的保障」を利用する方も多いでしょう。連帯保証人は、本人と同等の返済義務を負います。

本人が奨学金を返済しない場合、貸与した側は連帯保証人に対して請求をスタート。最初に返済できなかった日から、わずか数日で連絡がいくケースも珍しくありません。

ちなみに、奨学金の連帯保証人には、「親」がなるケースが一般的。つまり、自身が奨学金を延滞した事実を、親に隠し続けるのは難しいでしょう。

連帯保証人には「一括請求」がいくため、そんな多額のお金を一括で返せない…という可能性も高いです。しかし一括請求を受けた連帯保証人は、残念ながらそれを拒否することはできません。

連帯保証人も借金問題解決のために動かざるを得なくなります。債務整理などの借金減額措置についても視野に入れていかなくてはならず、非常に大きな影響を与えてしまいます。

3.延滞金が発生し、返済総額はどんどん増える

奨学金を返せなくなった場合、延滞した期間に応じて、延滞金が加算されます。つまり、返済できないまま放置すればするほど、総返済額が増える仕組みです。

日本学生支援機構の延滞金ルール例は以下のとおりです。

【1種奨学金(無利子)】
平成26年3月31日までの滞納分 … 5%
平成26年3月28日~令和2年3月27日 … 2.5%
令和2年3月28日から … 1.5%
【2種奨学金(有利子)】
平成26年3月31日までの滞納分 … 10%
平成26年3月28日~令和2年3月27日 … 5%
令和2年3月28日から … 3%

実際のところ、奨学金に加算される延滞金はそれほど高くはありません。ただし、放置すれば着実に増えていってしまいますから、早めの解決を目指してください。

奨学金が返せないときは早めの対処が肝心!

では奨学金が返せなくなってしまったとき、いったいどう対処すれば良いのでしょうか。2つの方法を紹介します。

まずは借入先などに相談してみよう!

奨学金が返せないことがわかったら、できるだけ早く貸与元の機関や団体に相談しましょう。「返せないのに連絡するなんて…」と不安に思う必要はありません。

先ほどもお伝えしたとおり、さまざまな事情を抱え、奨学金の返済で苦しむ方は決して少なくありません。たまたま引き落とし口座にお金を入れるのを忘れていたということもあります。

貸与元の機関や団体も、「それぞれの事情を考慮した上で、無理のない形で返済を続けてもらえたら」と考えています。適切に対処するために必要なのが、「相談」なのです。

奨学金の相談窓口は、どこで貸与されているかによって異なります。主な奨学金関連団体と、相談先窓口は以下のとおりです。

団体名称 相談窓口連絡先
独立行政法人 日本学生支援機構 【奨学金相談センター】
0570‐666‐301(※一部電話からは03‐6743‐6100)
月曜~金曜:9時00分~20時00分
一般財団法人 あしなが育英会 【返還課】
0120-980070
交通事故遺児育英会 【返還課】
0120-521287
月曜~金曜:9時00分~17時30分
学校や地方自治体 学校や地方自治体が指定する相談窓口

またこのほかにも、独立した相談窓口を頼ってみるのもおすすめです。

【NPO法人POSSE】
若者の「働く」に関連する各種お悩みを相談できる窓口。奨学金についても随時相談を受け付けています。各種申請のサポートも受けられるでしょう。
相談先窓口:03-6693-5156
(受付時間:火木18:00-21:00 / 土日祝13:00-17:00)
ウェブ上の相談フォームを利用すれば、24時間相談可能です。
相談フォーム:NPO法人POSSE(ポッセ)生活相談のお問い合わせページ

どの相談窓口を利用する場合も、以下の点をしっかりと伝えるようにしてください。

  • 現在の状況
  • 返済が難しい理由
  • 今後の展望

返済が難しいと認められる正当な理由があれば、今後どう対処すれば良いのか、相談担当者の方からアドバイスをもらえるでしょう。

また奨学金返済の相談は、「奨学金支払いの延滞」が発生する前に行うことが最大のコツです。延滞歴がつく前にしっかりと対処することで、その後に選択できる対処法も多くなります。

とはいえ、「相談しようか迷っていたらついに督促がスタートしてしまった…」というケースもあるでしょう。この場合でも、決して遅くはありませんので、ぜひ相談してみてください。督促を無視することだけは避けてくださいね。

減額や返還期限の猶予、免除もある!各種救済制度で無理なく返済

奨学金が返せない…と悩む方のため、貸与側も各種救済制度を用意しています。

貸与側が定める基準を満たしていれば、返済猶予や返済免除といったサポートを受けられる可能性があります。

どういった救済制度が用意されていて、どのような人が利用できるのかは、それぞれの団体によって異なります。奨学金を申し込んだ際の書類を、しっかりとチェックしてみてください。相談時に聞いてみるのもおすすめです。

ちなみに、日本学生支援機構の場合は、以下のような制度があります。

「やむを得ない事情で、奨学金が返せない」という条件をまずは満たしているかが条件となります。

減額返還制度
毎月の返還額を減額して返還できる制度。災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な人が利用できる。1回の手続きにつき、適用期間は12か月。減額返還適用期間に応じた分の返還期間を最長15年(180か月)まで延長できる。
返還期限猶予
災害、傷病、経済困難、失業などの理由で返還が困難になってしまった場合に、一定期間返還期限を延期する制度。実際にどの程度の期間、猶予をもらえるのかは通算10年までの間で審査により決定される。延滞前の手続きが必要。
死亡や障害による返済免除
本人が死亡した場合や、精神もしくは身体の障害により働けなくなってしまった場合に、奨学金の返済が免除される制度。

利用できる制度がないかどうか、ぜひ確認してみてください。

【注意点】
すでに延滞したことがある場合は、一定条件を満たさないと、返還期限猶予や減額返還制度は利用できません。もし今も延滞中で返済できないという経済状況の場合は、「延滞措置猶予」を受けられるかもしれません。

奨学金の借り入れ元の救済制度で解決困難なら、国の借金救済制度「債務整理」もチェック

「奨学金の返済で生活が厳しい…」「各種制度を活用しても完済の見込みが立たない」という場合には、債務整理について検討する必要があるでしょう。

債務整理とは、法的に借金を減らしたりなしにすることができる制度です。借金救済制度、借金救済措置、借金減額制度などとも呼ばれています。

奨学金も、一般の借金と同様に債務整理が可能。しかし奨学金ならではの注意点も多いため、基礎知識を身につけた上で手続きすることが大切です。

債務整理には、主に以下の3つの方法があります。

名称 特徴
任意整理 裁判所を通さずに、お金を借りた人と貸した人が話し合いを行います。「利息のみカットし、元金のみを原則3年で返済」という新たな条件などで和解を目指します。
個人再生 裁判所を通して、借金の元金を含めて大幅に減らす手続きです。元金は最大で、5分の1~10分の1にまで圧縮できます。住宅ローン特則を使えば、住宅ローンは除外できるのでマイホームに住み続けることができます。連帯保証人や保証人がついている場合は、その方に奨学金残額が一括請求されてしまいます。
自己破産 裁判所に申し立てて免責許可がおりれば、すべての借金をチャラにすることができる手続きです。奨学金を含めて、免責債権のすべての支払いが免除されます。ただし一部の自由財産を除き、一定額以上の財産はすべて処分され、返済に充てられます。

奨学金の場合、有利子タイプであっても「非常に低い金利」が設定されています。つまり任意整理で将来利息をカットしても、返済総額はあまり変わらないでしょう。

ただし「奨学金以外にも借金があり、そちらのせいで生活が苦しくなっている」という場合には、奨学金以外の借金について任意整理をするメリットはあります。

任意整理の場合「整理する借金を選択できる」というのが、最大の特徴。奨学金はそのままに、その他の借金(リボ払いが払えないとか、ギャンブルの借金など)の返済額を減らせれば、生活への負担も軽減できるでしょう。

「奨学金そのものの残債を大きく減らしたい」と思う場合には、個人再生や自己破産を検討することになります。ただしこの場合は、保証人に注意してください。

奨学金を借りる際に、自身の親や親せきが保証人になっているケースは多いです。自分が債務整理をして借金の返済から逃れた場合、減額した分の請求は「保証人」に一括請求されることとなります。

返済可能な場合は、今後の返済プランについて、貸与元と話し合う必要があります。保証人に対しては、残債の一括請求が行われるケースが一般的なため、なんとか交渉し、分割支払いに応じてもらうことが鍵となるでしょう。

分割払いに応じてもらえない場合、保証人もいきなり高額の借金返済を迫られ、返済できないとなる可能性もあります。

返済できない場合には、保証人も債務整理の手続きをしなければならない状況になってしまい、多大なる迷惑をかけてしまうことに…。

奨学金返済が厳しく債務整理をする場合、奨学金そのものの返済状況や自身の返済能力、そしてその他の借金など、広い視野で問題を分析する必要があります。

奨学金が返せない…という悩みに対してベストな選択をするためには、弁護士や司法書士といった専門家にサポートしてもらうのがおすすめですよ。

これから奨学金を利用する方へ…「返済が不安」なら給付型や免除制度を活用しよう

奨学金を利用して進学する方が増えている今、「卒業後に奨学金が返せない」という状況にも、注目が集まっています。

もし今、「将来本当に返済できるのか不安で奨学金を迷っている…」という状況なら、ぜひ給付型の奨学金に注目してみてください。

奨学金にはもともと、

  • 貸与型(無利子)
  • 貸与型(有利子)
  • 給付型

といった種類があります。給付型とは、その名前のとおり奨学金が「給付」されますから、卒業後に返済する必要はありません。

しかし、給付型は受けられる条件が非常に厳しいです。貸与型と比較すると、まだまだその数は少ないですし、その少ない枠に優秀な学生が集い、審査の上で受給できる人が決まる仕組みです。

とはいえ、給付型の奨学金制度を用意する団体や学校は徐々に増えてきていますし、それぞれで求める条件は異なります。しっかり探してみれば、自分が受けられそうな奨学金制度も見つかるかもしれません。

また、以下のような分野では、卒業後の進路等に一定の条件を設けることで、奨学金の給付を受けられるような事例も少なくありません。

  • 医療系
  • 福祉系
  • 介護系

地方においては、医師や看護師、介護士に保育士など、人々の生活を守るための専門職の不足に悩む地域も少なくありません。

奨学金を支給して学生の学びを応援し、その代わりに資格取得後の一定期間、該当の自治体で働いてもらう制度がこちらにあたります。

一定期間、働く場所を指定されてしまうデメリットはあるものの、「奨学金の返済不要」というメリットは、非常に大きいと言えるでしょう。

また、

  • すでに貸与型を受給中である
  • 給付型を希望したが、貸与型しか認められなかった

という場合には、就職先探しで工夫するのもおすすめです。

近年、「学生時代に貸与型の奨学金を利用した社員の奨学金返済を肩代わりする」という企業が増加。このような企業に就職すれば、返済負担は軽減できます。

奨学金の肩代わりは、学生にとって非常に魅力的な条件です。「この制度があるから」という理由で、就職先を決める学生も少なくありません。

企業側にとっても、「優秀な学生を早期に確保できる」「若年層の早期離職を予防できる」といったメリットが発生。学生にも会社にもメリットがある制度として、年々導入先が増加しています。

下記ページで、各企業について確認できますよ。

自分が目指している業種で取り組み企業があるのであれば、就職候補先の一つに挙げておいても良いのではないでしょうか。

奨学金の返済についてよくある質問まとめ

奨学金の返済についてよくある質問をまとめました。気になる方はぜひ参考にしてください。

奨学金の返済がきついときはどうすればよいですか?

日本学生支援機構には、返済猶予制度や返済免除制度があります。返済がきついときはこれらの制度を利用することで、返済の負担を軽減できます。

奨学金以外にも借金を抱えている方は、債務整理を視野に入れ、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

奨学金が返せないならまずは相談!解決策を見つけよう

「奨学金のおかげで進学できる」という方は少なくありません。とはいえ、卒業後に奨学金を借り返済が実際スタートすると、完済までの道のりに不安を抱える場面もあるでしょう。

希望の企業に就職できなかった、就職したけどそぐに辞めてしまって収入がない、思ったより低収入で負担が大きすぎるなど、奨学金返済に立ちはだかる壁!

給付型であれば返済の義務はありませんが、貸与型の奨学金を受け取った場合、返済は必要です!通常の借金と同じく返済義務が生じます。

「本当に奨学金が支払えない…」となってしまいそうな場合は、救済制度もありますから安心してください。奨学金の返済で困ったら、できるだけ早い段階で、貸与元にまずは相談するのがおすすめです。

「返せないのに連絡するなんて…」と不安に思う気持ちもわかりますが、自身の状況を正直に伝えれば大丈夫です。どうすれば返済を続けられるのか、相談に乗ってもらえるでしょう。

返済猶予、減額制度などを利用できれば、奨学金返済が可能になる場合もあります。

また、奨学金以外にも借金を抱えている場合や、「本当にこれ以上は返済が無理」という場合には、ぜひ弁護士事務所や司法書士事務所といった法律のプロに相談してみてください。

法的な借金減額方法である「債務整理」も視野に入れてアドバイスしてもらえます。素人目で判断せずに、自分の今の状況に合った方法で奨学金返済を解決していけるでしょう。

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